『PEANUTS』の舞台となる世界には大人の姿が一切描かれず、子どもたちと動物たちだけでコミュニティが形成されています。まずは物語の中心を担う主要キャラクターたちの名前と、その際立った特徴を整理していきます。
スヌーピー(Snoopy)
本作の顔である白黒のビーグル犬。1950年10月4日のコミック第3回で初登場しました。犬でありながら活字を読み、タイプライターで小説を執筆し、屋根の上で様々な空想(第一次世界大戦の撃墜王フライング・エース、大学生のジョー・クールなど)にふける知性派です。犬種がビーグルに選ばれた背景には、原作者シュルツが幼少期に飼っていた愛犬「スパイク」(雑種だがビーグルの血を引く聡明な犬)への強い愛着がありました。
チャーリー・ブラウン(Charlie Brown)
スヌーピーの飼い主であり、どこまでも不器用でお人好しな少年。野球チームのピッチャー兼監督を務めるものの試合は常に大敗、凧揚げをすれば「凧食いの木」に捕まり、フットボールを蹴ろうとすればルーシーに直前でボールを引かれて転倒するのがお約束です。しかし、どれほど失敗しても立ち上がり続ける姿は、世界中の読者に普遍的な勇気を与えています。
ルーシー・ヴァン・ペルト(Lucy van Pelt)
強烈な自己主張と威風堂々とした態度で周囲を圧倒する少女。広場に「心の相談所(精神分析スタンド)」を開き、1回5セントで辛口なアドバイスを提供します。ピアノの天才少年シュローダーに一途な片思いを寄せていますが、まったく相手にされないという不器用な乙女心も持ち合わせています。
ライナス・ヴァン・ペルト(Linus van Pelt)
ルーシーの弟であり、チャーリー・ブラウンの無二の親友。常に青い「安心毛布(セキュリティ・ブランケット)」を握りしめ、指しゃぶりをする癖がありますが、口を開けば聖書や哲学を引用するグループ屈指のインテリです。ハロウィンの夜には「カボチャ大王」が畑に現れると本気で信じ続けています。
リラン・ヴァン・ペルト(Rerun van Pelt)
ルーシーとライナスのさらに下に生まれた末っ子の弟。母親の自転車の後ろに乗せられて街を疾走することに強い恐怖を感じています。兄や姉たちとは異なり、スヌーピーを「本物の犬」として純粋に慕い、遊び相手をせがむ姿が愛らしく描かれます。
サリー・ブラウン(Sally Brown)
チャーリー・ブラウンの妹。要領がよく、宿題や面倒なことはすべて兄や他人に押し付けようとする現実主義者です。ライナスに熱烈な片思いをしており、彼のことを「私の可愛いバブーちゃん(My Sweet Babboo)」と呼んで辟易させています。
シュローダー(Schroeder)
おもちゃのトイピアノでベートーヴェンの難曲を見事に弾きこなす音楽の天才。ベートーヴェンの誕生日を祝うことに情熱を注ぎ、ピアノの上に寄りかかって話しかけてくるルーシーを冷ややかにあしらい続けます。
ペパーミント パティ(Peppermint Patty)
スポーツ万能で快活な少女ですが、勉強は大の苦手で授業中は常に居眠り、テストでは「Dマイナス」ばかり取っています。チャーリー・ブラウンのことを「チャック」と呼び密かに想いを寄せています。当初はスヌーピーのことを「鼻の大きな奇妙な男の子」だと本気で思い込んでいました。
マーシー(Marcie)
メガネがトレードマークの優等生。ペパーミント パティの親友で、彼女を「先輩(Sir)」と呼び慕っています。パティとは正反対の理論派ですが、実は彼女もチャーリー・ブラウンに好意を抱いており、「チャールズ」と呼んで優しく接します。
フランクリン(Franklin)
穏やかで常識的な良識人。海辺でチャーリー・ブラウンと偶然出会って意気投合し、良き相談相手となりました。1968年の公民権運動の渦中、読者の要望を受けて人種差別の壁を越える存在として誕生した歴史的背景を持ちます。
ピッグペン(Pig-Pen)
常に砂ぼこりを身にまとい、歩くだけで土煙が舞い上がる少年。どれほど綺麗に身体を洗っても一瞬でホコリまみれになりますが、本人は「古代の歴史の塵を身にまとっている」と誇りを持っています。