1990年代初頭、日本中がバブルの余韻と崩壊の予兆に揺れていた頃、芸能界を揺るがす最大の激震が走った。人気絶頂期を過ぎてなお、実力派女優・歌手として確固たる地位を築いていた桜田淳子が、世界基督教統一神霊協会(現・世界平和統一家庭連合)の信者であることを公表したのだ。
記者会見の席上、彼女は毅然とした態度で信仰を語り、合同結婚式への参加を宣言した。相手は彼女自身が選んだ人物ではなく、教祖である文鮮明が指名した韓国人男性だった。このニュースは、お茶の間に冷や水を浴びせた。テレビは連日この話題を報じ、ワイドショーは彼女の「洗脳」を疑うコメンテーターたちの言葉で埋め尽くされた。アイドルとしての輝かしいキャリアは、その瞬間、事実上の終焉を迎えたのである。