12誘導心電図の貼り方と読み方完全解説|電極位置とSt変化の要点

12誘導心電図の貼り方と読み方完全解説|電極位置とSt変化の要点

12誘導心電図の貼り方と読み方完全解説|電極位置とSt変化の要点に関する主要なデータを分かりやすく解説いたします。

救急搬送や病棟急変で一刻を争うのが、冠動脈の完全閉塞によって生じるST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)の診断です。ガイドラインでは、連続する少なくとも2つ以上の誘導において、J点で以下の上昇を認める場合をSTEMIの基準としています。

・V2〜V3誘導:男性40歳以上で0.2mV(2mm)以上、40歳未満で0.25mV(2.5mm)以上、女性は年齢問わず0.15mV(1.5mm)以上
・その他の誘導(肢誘導およびV1、V4〜V6):男女・年齢問わず0.1mV(1mm)以上

心電図のどの誘導でSTが上昇しているかを見れば、責任冠動脈(閉塞している血管)を特定することが可能です。

1. 前壁・中隔梗塞(V1〜V4誘導の上昇):
左冠動脈前下行枝(LAD)の閉塞。広範囲の心筋壊死や心不全、心原性ショックに移行しやすく、致死的不整脈(VT/VF)の危険が極めて高い領域です。

2. 側壁梗塞(I、aVL、V5、V6誘導の上昇):
左冠動脈回旋枝(LCX)またはLAD対角枝の閉塞。単独で生じるほか、前壁や下壁梗塞に合併することが多く見られます。

3. 下壁梗塞(II、III、aVF誘導の上昇):
右冠動脈(RCA)またはLCXの閉塞。房室結節の虚血による高度房室ブロックや、徐脈性不整脈が頻発します。また、下壁梗塞時は右室梗塞の合併を疑い、右側胸部誘導(V3R〜V5R)を追加記録することが鉄則です。右室梗塞合併時に硝酸薬(ニトログリセリン)を投与すると前負荷が急激に低下し、重篤な血圧低下を招く恐れがあります。

4. 後壁梗塞(V1〜V3でのST低下と高電位R波):
後壁は標準12誘導では直接観察できないため、対側にあるV1〜V3で「ST低下・幅広で高いR波・直立T波」という鏡面像(ミラーイメージ)として現れます。後壁梗塞が疑われる場合は、背部に電極を配置する追加誘導(V7、V8、V9)を記録して確定診断につなげます。

佐藤 大輔
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佐藤 大輔

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