「身長マイナス110」という式は、昭和から平成にかけて主に民間伝承的な健康目安として日本国内に定着した。しかし、厚生労働省の最新の国民健康・栄養調査データを紐解くと、この簡便な式と現代人の実態との間に大きな乖離が存在することが浮き彫りになる。
例えば身長160cmの人であれば目標体重は50kgとなる。だが、厚生労働省の提示する年齢別・性別の健康維持基準と照らし合わせた場合、若年女性にとってはやや細身に偏りすぎ、中高年層にとっては内臓脂肪や筋肉量の維持という観点から見ると必ずしも安全な指標とは言えない。根拠のない数値のひとり歩きが、過度な体重制限へと人々を駆り立てている側面は否定できない。