長寿アニメの声優交代において、ネット上で常に囁かれるのが「声優が変わったら作品がオワコン化する」という言説です。しかし、『クレヨンしんちゃん』の歩みはこの安直な通説を完全に覆しました。
交代翌年の2019年に公開された映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』は興行収入20.8億円を叩き出し、さらに2023年公開のシリーズ初となる3DCG映画『しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』はシリーズ歴代最高となる興収24.7億円を記録しました。声優交代が作品の商業的価値や集客力を何ひとつ損なわなかった客観的な動かぬ証拠です。
また、ネット上では「矢島晶子氏はアニメ界から完全に引退したのではないか」という誤解が今なお一部で見受けられます。しかし、これは明確な事実誤認です。矢島氏は現在も実力派声優として第一線で精力的に活動を続けています。洋画の吹き替え(名優たちの吹替担当)やドキュメンタリー番組のナレーション、ゲーム作品のCV、さらには後進の育成に力を注いでいます。しんのすけという「喉を酷使する特定の記号的キャラクター」から離れたことで、本来の変幻自在な声質と円熟味を増した演技力を存分に発揮しており、声優業界における彼女のプレステージは何一つ揺らいでいません。