一見するとシンプルに見えるリリーフの記録ですが、現場のグラウンドでは「好投したのにホールドがつかない」「あとからホールドが消滅した」という事態が日常的に発生します。代表的な5つの除外条件を整理します。
1. 試合の最後のイニングを投げ終えた(完了投手)
リードを保って試合を終わらせた場合、記録されるのは「セーブ」であり、ホールドはつきません。たとえセーブ条件を満たさない大差での登板であっても、最終回を投げ終えた投手にはルール上ホールドが付与されない規定です。
2. 自身が敗戦投手になった、またはリードを奪われて降板した
同点または逆転を許して降板した場合(救援失敗/ブローンセーブ)、当然ながらホールドは記録されません。
3. 降板時に残した走者が、後続投手に返されて同点・逆転された
自身がマウンドを降りる瞬間はリードしていても、残したランナーが後続投手の打たれた安打等で生還し、スコアが同点または逆転になった場合、その失点は前投手の自責・失点とみなされるため、一度手元にあったホールドは遡って消滅します。
4. 1アウトも取れずに降板した
走者を背負った場面でワンポイントとして登板し、四球や死球を出してアウトを1つも取れずに降板した場合、リードを保っていたとしてもホールドは記録されません。
5. 投球内容が著しく拙劣と公式記録員に判断された場合
公認野球規則には、リードを保って降板しても、失点を重ねて試合を壊しかけるなど投球内容が極めて悪いと公式記録員が判定した場合、ホールドを与えないことができるという裁量条項が存在します。
ファンの間で長年議論を呼んでいるのが、「先発投手の勝ち星を消してしまった救援勝利でも1HPとして加算される」という制度の矛盾です。リードを守れず同点に追いつかれた投手が、その裏に味方が再逆転したことでタナボタ的に勝利投手になった場合、救援失敗であるにもかかわらずタイトル争い上はプラス1ポイントを獲得してしまいます。この歪みは、現場の首脳陣やアナリストの間でも常に改善議論の対象となっています。