『海猿』の主題歌を聴いた瞬間、ファンの脳裏に浮かぶのは、伊藤英明演じる仙崎大輔と、加藤あい演じる伊沢環菜(のちに仙崎環菜)の切ない恋模様です。
特に『LIMIT OF LOVE』のクライマックス、沈没寸前のフェリー「くろーばー号」の中で、電話越しに交わされた大輔から環菜へのプロポーズと、「チェックメイトだ……環菜、お前が好きだ。環菜、結婚しよう」という魂の告白。そして大輔の生存を信じて「戻ってきて!」と叫び続ける環菜の姿に「Precious」のサビが重なる演出は、日本映画史に残る屈指の名シーンとして刻まれています。
単なるパニックアクションに留まらず、生死の極限だからこそ浮き彫りになる人間愛を丁寧に描き切ったからこそ、音楽が持つ感情の爆発力が最大限に引き出されました。