エッジボイスの最大の価値は、歌い手にとって最大の難関である「高音発声のブレイクスルー」にあります。地声と裏声が切り替わる喚声点(ブリッジ)で声がひっくり返ったり、裏声が弱々しくかすれてしまう悩みを解決する鍵が、まさにミックスボイス習得のコツであるエッジボイスからのグラデーションです。
プロシンガーが実践しているトレーニング手順は以下の通りです。
- 超低音のエッジボイスからスタート:まず力みのない状態で「ア゛ア゛ア゛」とボーカルフライを鳴らします。
- 閉鎖を保ったまま裏声(ファルセット)へスライド:エッジのパチパチ感を残したまま、音程を滑らかに中音域から高音域へと引き上げていきます(サイレントレーニング)。
- 芯のある高音への融合:裏声のポジションにエッジボイス由来の「声帯閉鎖」が加わることで、裏声特有の頼りなさが消え、地声のような強い響きを持ったミックスボイスへと変化します。
高音域で声が裏返るのは、音程を上げる際に声帯が引っ張られ、閉鎖が耐えきれずにパカッと開いてしまうからです。あらかじめエッジボイスの感覚を体に染み込ませておくことで、高音でも声帯の密着度を保ち続けられるようになり、力まずに突き抜けるハイトーンが手に入ります。