結論から整理すると、「ランドローバー」は英国の自動車メーカー名(母体ブランド)であり、「レンジローバー」は同社が製造するフラッグシップ車種のシリーズ名です。日常の例えで言えば、トヨタ(自動車メーカー)における「クラウン」や「センチュリー」、あるいはメルセデス・ベンツにおける「Sクラス」のような関係性に該当します。
そのため、「ランドローバーとレンジローバーはどっちが上か?」という問いに対しては、対立する別会社同士の比較ではなく、「ランドローバーというブランドの中で、最も格付けが高く最高価格帯に位置するのがレンジローバーである」というのが正確な答えです。1970年に初代が登場した際、「砂漠のロールスロイス」と称賛され、悪路走破性と貴族的な快適性を両立させたことで、同社における絶対的なプレミアムアイコンとしての地位を確立しました。
ここで押さえておきたいのが、親会社であるジャガー・ランドローバー(JLR)が断行した「ハウス・オブ・ブランズ(House of Brands)」戦略によるブランド再編です。JLRは従来のランドローバーという巨大な傘の下から、「レンジローバー」「ディフェンダー」「ディスカバリー」という3つのモデルラインを、それぞれ独立した個性を持つ固有ブランドへと昇格させました。これに伴い、現在販売されている新型車のボンネットやリアゲートからは「LAND ROVER」のオーバルバッジが控えめになり、「R A N G E R O V E R」という単体ロゴが前面に押し出されています。ランドローバーのDNAを受け継ぎつつも、独立したプレステージブランドとしての純度を高めたのが現在の姿です。