ボブ・マーリー名言「自分の命を愛せ」の深層|誤解と真実を徹底解剖

ボブ・マーリー名言「自分の命を愛せ」の深層|誤解と真実を徹底解剖

ボブ・マーリー名言「自分の命を愛せ」の深層|誤解と真実を徹底解剖にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

Web上やSNSの言説で最も頻繁に見られる致命的な誤解は、「Live the life you love」を「嫌なことは全部やめて、好きなことだけをして気楽に生きよう」という刹那的な快楽主義(エピクロス的ヘドニズム)として解釈してしまうケースです。 ボブ・マーリー自身の生き様を少しでも知る人であれば、彼が怠惰な放縦とは対極の生活を送っていたことは明白です。彼は毎朝夜明け前に起床してランニングとサッカーで身体を極限まで鍛え上げ、1日十数時間に及ぶ過酷なリハーサルとスタジオワークに没頭し、余暇のほとんどを聖書の読誦とラスタファリの信仰的対話に捧げていました。 彼が説いた「愛」とは、甘ったるい自己愛や消費的な快楽ではなく、自己の内なる神性に対する誠実さと、共同体に対する義務と責任を伴うものでした。したがって、自らの責務を放棄し、困難から逃避するための言い訳としてこの言葉を引用することは、マーリーの哲学に対する完全な冒涜と言わざるを得ません。 自律的に生きるということは、社会のシステムや他者のせいにできる安全地帯を自ら降り、自らの選択がもたらすすべての結果を単独で背負い込む「過酷な覚悟」と同義です。「自由」の裏側には常に「孤独な自己責任」が張り付いているという厳酷な事実を見落としたまま言葉の表面だけを掬い取ると、単なる社会不適応の自己正当化という罠に嵌まることになります。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。