彼が全国的な知名度を獲得した大きな転機といえば、平成のドラマ史に名を残す名作群である。特に『電車男』で見せた気弱ながらも愛らしいオタク青年役や、『Dr.コトー診療所』での市役所職員役など、日常の延長線上にいそうなキャラクターを演じた際の説得力は凄まじかった。
なぜ彼の演じる「どこにでもいそうな男」は、これほどまでに観客の心に強く引っかかるのか。真相は、彼自身が持つ人間への深い洞察力にある。ただセリフをなぞるのではなく、その人物が背負う小さな情けなさや滑稽さ、そして密かな温かさを繊細に拾い上げる。だからこそ、彼の演じるハマり役は作品が終わった後も私たちの記憶に残り続けるのだ。