厚生労働省の統計やがん診療連携拠点病院のデータを見ても明らかなように、現在のがん薬物療法の7〜8割以上が「外来化学療法室」での通院治療で行われています。
リクライニングチェアや個別モニターを備えた専用フロアで、専任の腫瘍内科医・がん専門薬剤師・がん看護専門看護師が常駐する環境が整備されました。これにより、朝に通院して点滴を受け、夕方には自宅に戻る生活が可能になり、休職することなく勤務形態を調整しながら治療を継続する患者が増加しています。
気になる治療費と「高額療養費制度」の活用法
新規の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬は薬価が高額であり、1回の点滴で数十万円から数百万円の医療費が発生することも珍しくありません。しかし、日本の公的医療保険制度には自己負担上限額を定める「高額療養費制度」が存在します。
70歳未満・一般的な年収区分(年収約370万〜770万円/3割負担)の場合、1ヶ月あたりの自己負担上限額は「約8万〜9万円程度」に抑えられます。さらに、直近12ヶ月以内に3回以上上限に達した場合は4回目から「多数該当」が適用され、上限額が44,000円まで引き下がります。
治療開始前に加入している健康保険組合へ申請し「限度額適用認定証」の交付を受けて窓口提示すれば、最初から上限額までの支払いにとどめることが可能です。民間の医療保険(がん保険)の通院一時金特約なども組み合わせることで、経済的な破綻を防ぎながら治療を継続する設計が不可欠です。