現在、世界中の花屋で見かける八重咲きやフリル咲きの豪華な品種群は、ほぼすべて日本で生まれた技術の賜物である。1930年代に海外から日本へと導入された当初、この花は紫色の慎ましい一重咲きに過ぎなかった。
そのポテンシャルをいち早く見抜いたのが、サカタのタネの創業者である坂田武雄氏をはじめとする国内の先駆的育種家たちだった。戦前・戦後の混乱を乗り越え、タキイ種苗などの種苗メーカーや篤農家たちが熱心な品種改良を重ねた結果、バラと見紛うようなボリューム感と、花粉が出にくく長持ちする画期的な品種が次々と誕生した。
生花・園芸業界において、日本のトルコギキョウ育種レベルは世界最高峰と称される。世界市場で流通する切り花用ユーストマの種子の大半が日本発祥の遺伝資源に由来しているという事実は、日本の園芸技術が残した偉大な金字塔だ。