文京区の路地裏に漂う濃密な美意識。大正ロマンと昭和レトロの聖地が、2026年の東京で異彩を放つ理由

文京区の路地裏に漂う濃密な美意識。大正ロマンと昭和レトロの聖地が、2026年の東京で異彩を放つ理由

文京区の路地裏に漂う濃密な美意識。大正ロマンと昭和レトロの聖地が、2026年の東京で異彩を放つ理由に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。

東大農学部正門の向かい。細い路地を入ると、都市の騒音は急激に遠のく。

漆黒の木枠と控えめな佇まい。建物の前を通る風さえ、どこか時間を巻き戻すような重みを孕む。弥生美術館は、創設者である弁護士・鹿野琢見の凄まじい執念によって生み出された。彼が高畠華宵の画風に魅せられ、私財を投じて集め上げたコレクション。その熱量は、半世紀近くが経過した現在も少しも衰えていない。

展示室へ一歩足を踏み入れると、独特の紙の匂いと濃密な墨の香りが鼻腔をくくぐる。照明はあえて抑えめだ。紙が長年の時を越えて保持してきた繊細な色あいが、静かに浮かび上がる。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。