2026年現在、日本のゲノム医療は長足の進歩を遂げている。かつては高額な自己負担を強いられたマルチ遺伝子パネル検査だが、対象となる患者群に対する保険適用の範囲は着実に拡大してきた。血液や唾液を少量採取するだけで、数十から数百の遺伝子変異を同時にスクリーニングすることが可能だ。
臨床の最前線に立つがんゲノム専門医は「検査技術の精度向上と普及により、発症前のリスク把握だけでなく、既に発症した患者に対する分子標的薬の選択においても遺伝子情報は不可欠になった」と語る。自分の遺伝的体質を知ることは、治療選択肢を最大化する手段でもあるのだ。