不織布マスクが空気中の有害物質を捉える最大の武器は、中層に配置された「静電気フィルター(メルトブロー不織布)」だ。このフィルターは、帯電した特殊な繊維が静電気の力で目に見えない微粒子を引き寄せ、捕集する仕組みを持っている。単に繊維を細かく織り込んだ布地とは異なり、電気的な吸引力を利用している点に最大の特徴がある。
しかし、この静電気フィルターは水や洗剤と接触した瞬間に致命的なダメージを受ける。最新の実験データによれば、一度水洗いをしただけで帯電状態が急速に失われ、フィルタ性能の低下率は70%以上に達することが判明した。除菌スプレーなどのアルコール噴霧でも同様に帯電が失われ、ただの粗い網目へと変化してしまう。見た目が整っていても、ウイルスを遮断する壁としてはほとんど機能していないのが実態だ。