漫画史に残るこの名セリフが登場するのは、原作コミックスの最終章にあたる「魔人ブウ編」のクライマックス、原初にして最凶の敵である純粋の魔人ブウとの死闘が繰り広げられた界王神界の決戦場です。全宇宙の存亡を懸け、超サイヤ人3の限界を超えて孤軍奮闘する悟空の姿を、岩陰から静かに見つめていたベジータの胸中で紡がれた長大な独白の結びの言葉でした。
メディアごとの具体的な収録巻数および放映話数は以下の通り、明確な記録が残されています。
集英社発行のジャンプ・コミックスでは第42巻(其之五百十「史上最大のドラゴンボール」)に収録されています。完全版コミックスでは第34巻、2010年代以降にリリースされた電子書籍版やフルカラー版「魔人ブウ編」最終6巻でも同等のシチュエーションで読むことができます。雑誌連載当時の『週刊少年ジャンプ』では、1995年21・22合併号から23号にかけて掲載され、物語の完結(其之五百十九)へ向かう怒涛のカウントダウンの中で読者に鮮烈な衝撃を与えました。
一方、フジテレビ系列で放映された東映アニメーション制作のテレビアニメ『ドラゴンボールZ』においては、1995年10月18日放送の第280話「ベジータ脱帽!! 悟空おまえがNo.1だ」が該当回です。このエピソードでは、声優の堀川りょう氏(ベジータ役)による静謐でありながら情熱を帯びた語りと、菊池俊輔氏の重厚な劇伴が見事に融合し、アニメオリジナルの回想シーンとともに約数分間にわたる長尺のモノローグとして映像化されました。
原作におけるベジータの独白は、以下のように展開します。
「…すごいヤツだ…あいつは…オレにはどうしても勝てなかった…魔人ブウとあれだけ闘えるのは、宇宙広しといえどもあいつひとりだけだ…」から始まる内省は、かつて自身が抱いていた殺戮衝動や、誇示するためのプライドがいかに空虚であったかを赤裸々に吐露していきます。そして、「…がんばれカカロット…お前がナンバーワンだ!!」と、悟空のサイヤ人としての本名「カカロット」を呼び、心から応援する言葉で締めくくられます。