WebメディアやSNSの掃除動画において、「風呂場の黒カビには強力な塩素系漂白剤を使えば一発」といった情報が拡散されているが、換気扇掃除においてこれを鵜呑みにするのは極めて危険だ。
強力なカビ取り剤の代名詞であるカビキラーやハイターなどの塩素系漂白剤を、天井の換気扇やシロッコファンに向けて直接スプレー噴射する行為は絶対に避けるべきである。塩素成分のミストが換気扇奥のモーターや電気基盤に付着すると、内部の銅線や金属部品が急速に酸化・腐食し、ショートや漏電火災の原因となる。さらに、高所から強アルカリ性の薬液が滴り落ち、目や皮膚に触れる重大な人身事故のリスクも伴う。カビキラーを使用する場合は、外した樹脂製カバーの裏側など、完全に水洗いできるパーツのみに限定し、十分にすすぎ流さなければならない。
日常のお手入れやエコ掃除として人気の「重曹」や「オキシクリーン(過炭酸ナトリウム)」にも、プロの目から見ると見落とされがちな落とし穴が存在する。シロッコファンの材質が「アルミニウム製」であった場合、アルカリ性の高い重曹やオキシクリーンの溶液に長時間浸け置くと、化学反応を起こして金属表面が黒く変色し、脆くなって腐食してしまうのだ。プラスチック(樹脂)製の黒色ファンであれば問題ないが、金属色(シルバー)のファンを取り外した際は、中性洗剤(食器用洗剤など)を使用するのが最も安全な選択肢となる。