求職者が最も直面する疑問である派遣社員と契約社員の給料比較について、近年の法制度改革と公的統計データを交えて実態を検証します。従来は「直接雇用の契約社員の方が派遣より待遇が良い」という固定観念が存在しましたが、実態はそのような単純な図式では語れません。
厚生労働省の各種賃金調査および労働局の最新動向を分析すると、同一労働同一賃金の影響によって、派遣社員の時給相場は「労使協定方式」の導入以降、全国的に明確な引き上げ圧力を受けています。首都圏の一般事務であっても時給1,700円〜1,900円、ITや貿易などの専門事務では時給2,200円を超える求人が珍しくありません。これにより、所定労働時間をフルに働いた場合、額面月収で30万円を超える派遣社員が多数派を占める逆転現象が起きています。
対する契約社員の給与は月給制が主流ですが、額面月給22万円〜26万円前後に据え置かれている例が目立ちます。さらに深刻なのがボーナスや退職金の支給実態です。契約社員の賞与は「業績連動で支給する場合がある」とされながらも、実態は年10万〜20万円程度の「寸志」に抑えられているケースが厚生労働省の非正規待遇調査でも多数報告されています。退職金制度に至っては、契約社員・派遣社員ともに約8割超の企業で制度自体が適用除外とされており、長期的な資産形成の観点では双方ともに脆弱性を抱えています。