多くの人々が「綺麗だ」と直感する鼻には、美容医学や解剖学的に裏付けられた明確な数値基準が存在します。美容外科で基準とされる芸能人の鼻の黄金比には、主に3つの客観的指標が用いられます。
1. エステティックライン(Eライン)
歯科医ロバート・リケッツが提唱した「Eライン(Esthetic Line)」は、鼻先と顎の最突出部を直線で結んだ基準線です。この直線の内側に上下の唇が収まる、あるいは軽く触れる状態が、横顔の理想とされます。横顔Eライン芸能人として名高い北川景子や吉沢亮の横顔を測定すると、鼻尖から顎先にかけてのラインが完全に一致し、顎の突出度合いと鼻の高さが狂いなく調和していることが分かります。
2. ACR(Ala-Columella Relationship:小鼻と鼻柱の位置関係)
鼻の美しさを語る上で欠かせないのが「ACR」です。正面から見た際、左右の小鼻を結んだ線よりも、中央の鼻柱(左右の鼻の穴の間の壁)がわずかに下方に位置し、下向きの三角形(逆三角形)を形成している状態が最も美しいとされます。鼻柱が引っ込んでいると小鼻が垂れ下がって重たい印象になり、逆に鼻柱が下がりすぎると魔女のような印象を与えます。上位にランクインする芸能人は、例外なくこのACRが美しい逆三角形を描いています。
3. 鼻唇角と鼻前頭角のバランス
横顔において、鼻柱と上唇がなす角度(鼻唇角)は、女性で95〜105度、男性で90〜95度が理想とされます。この角度が狭いと鼻先が垂れ下がった印象(カギ鼻)になり、広すぎるとブタ鼻に見えやすくなります。また、眉間と鼻根がなす「鼻前頭角」は115〜130度が理想値であり、この角度が浅すぎるといわゆる「アバター鼻」と呼ばれる不自然な形状に陥ります。
さらに近年注目されるのが「忘れ鼻」という概念です。美容ジャーナリズムにおいて「他人に顔の印象を聞いた際、目元や唇の魅力は語られるのに、鼻の形については誰も具体的に覚えていない」状態を指します。大きすぎず、高すぎず、欠点が一切ないがゆえに顔の余白と調和する鼻こそが、現代の洗練された美意識の頂点として定義されています。