適切な外科手術が施された場合、パテラの予後は極めて良好で、90%以上の症例で正常な歩行機能が回復します。しかし、手術そのものが成功しても、術後管理に失敗してインプラントの破損や再脱臼を招く事例が後を絶ちません。
術後リハビリテーションの標準的ロードマップ
- 術後0〜2週(急性期):絶対的な安静期間。ケージレストを基本とし、排泄時以外の歩行を厳禁とする。患部のアイシングで炎症を沈静化。
- 術後3〜6週(回復初期):骨と組織の癒合を確認しつつ、平坦な室内での短いリード歩行(5分程度)を開始。関節可動域訓練(PROM)を専門医の指導下で導入。
- 術後7〜12週(機能回復期):水中トレッドミル(ハイドロセラピー)やバランスディスクを用いた体幹トレーニングを行い、萎縮した筋肉を安全に再構築。
術後のリハビリにおいて最も危険なのは、「愛犬が元気そうに見えるから」と飼い主が勝手に安静制限を解除してしまうことです。骨の結合が完了する前の過度な負荷は、骨折や固定ピンの脱落という最悪の合併症を引き起こすため、担当獣医師のレントゲン判定が出るまでは徹底した行動制限を貫く必要があります。