美しい繊維構造を取り出すための戦いは、加工前、すなわち収穫のタイミングから始まっています。ヘチマたわしの収穫時期は、一般的に秋が深まる10月中旬から11月下旬。ツルについたまま放置し、緑色だった外皮が全体的に黄色から黄土色へと変わり、水分が抜けてカサカサに軽くなった状態が理想的な完熟サインです。果実を軽く振ったときに内部で「カラカラ」と種が転がる音が響けば、網目状の繊維組織がすでに完成している証拠となります。
しかし、家庭菜園の現場では「10月の台風で強風にあおられ、青いまま枝から落下してしまった」「初霜の予報が出たためツルを撤収せざるを得ない」といった不測の事態が頻発します。そこで読者が抱くのが、青いヘチマでのたわしの作り方は存在するのかという疑問です。
実態を言えば、未熟で青い実であっても、十分に長さと太さが成長しきっていればたわし化は可能です。ただし、乾燥した茶色いヘチマに比べて果肉の粘り気が強く、繊維自体もまだ柔らかいため、煮沸時間を通常より10〜15分ほど長めに設定する必要があります。爪を立てても果皮に食い込まない程度に硬化している果実であれば、丁寧に果肉を洗い流すことで、肌触りの優しいソフトなたわしへと加工できます。