過酷な過去を清算した柚子を待っていたのは、玲夜との純度100%の幸福でした。原作小説の終盤および完結編において描かれる白河柚子と鬼龍院玲夜の結婚と子供にまつわるエピソードは、ファンの間で「至高の救済」として語り継がれています。
玲夜の柚子に対する愛情は、物語の当初から一貫して深く狂おしいほどのものでした。読者の間で話題を呼んだ数々の鬼龍院玲夜の溺愛シーン――例えば、柚子が過去のトラウマから怯えた際に夜通し抱きしめて「お前を傷つけるものは世界のすべてから俺が守る」と囁く場面や、柚子のために惜しげもなく高級料亭の味を再現させたり豪奢な着物を誂えたりする姿は、SNS上でも「理想のスパダリ(スーパーダーリン)」として絶大な評判を獲得しました。
物語のクライマックスでは、人間界とあやかし界の有力者が一堂に会する壮麗な結婚式が執り行われます。純白の花嫁衣裳を身にまとった柚子は、玲夜の手を取って神前で永遠の契りを交わし、名実ともに「鬼龍院家の正妻」としての座を確立しました。かつて家族から「誰にも愛されないゴミ」と罵倒されていた少女が、数千人ものあやかしから平伏され、祝福される姿は圧巻のカタルシスを生み出しています。
さらに原作小説の後日談では、二人の間に待望の子供(第一子)が誕生します。生まれた赤子は、玲夜譲りの漆黒の瞳と強大な鬼の妖気を宿しながらも、柚子の持つ温かく清らかな霊力を併せ持った類まれなる資質の持ち主でした。かつて自身が受けることのできなかった親の無償の愛を、我が子に全身全霊で注ぐ柚子と、妻と子を命懸けで慈しむ玲夜。家族という呪縛に苦しめられていた柚子は、自らの手で新たな温かい家族を築き上げることで、過去の傷を完全に昇華させたのです。