ティーの「高め(40mm以上)」と「低め(35mm以下)」には、それぞれ明確な弾道特性の変化と副作用が存在します。これを理解して状況に応じて使いこなすことが、コースマネジメントのレベルを一段引き上げます。
ティー高めでスライスが改善する物理的理由
アマチュアの約7割が悩むスライスは、インパクト時にヘッドが外から入る「アウトサイドイン軌道」と、フェースが開くことによって発生します。ティーを高めにすると、視覚的に「ヘッドを上に向けて振り抜きたい」という心理的アジャストが働き、スイング軌道が自然とインサイドアウトかつアッパーブローへシフトします。さらに、ボールの捕まりが良いフェースのトウ(先)寄りの上部で捉えやすくなるため、ギア効果によるドロー回転が掛かりやすくなり、嫌なスライスが自然と打ち消されるのです。
テンプラ防止のための引き算と目線コントロール
しかし、高めのティーには「テンプラ」という最大のリスクが付きまといます。スライサーによく見られる「ボールを当てに行こうとして上体が目標方向に突っ込む癖」がある場合、高すぎるティーに対して上から急激な角度でヘッドが突入し、フェース面ではなくクラウンの上面でボールを打撃してしまいます。テンプラが頻発するゴルファーは、ティーを30〜33mm程度まで一気に低くし、アドレス時にボールの後方(右側)の赤道部分に目線を固定して振り抜くことで、ヘッドが潜り込む物理的余地を排除するのが最も確実な対処法です。