問題の本質をより複雑にしているのは、当事者自身が助けを呼ぶ声をあげられない点にある。「弱音を吐くことは恥」「男なら耐えるべき」という社会的規範が内面化され、自らSOSを打ち消してしまう。その結果、目に見える騒擾や事件として表出するまで、その過酷な孤立の実態は報道の表舞台に出てこない。
家族形成の機会を失い、職場での人間関係も希薄化した末に訪れるのは、完全な無縁状態である。病気や失職といった人生の躓きが、そのまま人生の詰みに直結する恐怖。行政の窓口を訪れても「まだ働けるでしょう」の一言で追い返される懸念が、彼らをさらに孤立の深みへと押し込んでいる。