「せっかく色紙を作ったのに、実家の棚の奥にしまわれたまま……」といった悲劇はなぜ起きるのでしょうか。大手Web掲示板やSNS、知恵袋の投稿をテキストマイニングし、ギフトプランナーへの取材を重ねると、主役側の切実な心理的葛藤が見えてきます。
ある60歳を迎えた男性管理職(IT関連・東京都在住)は、自著や退職記念の手記で当時の心境をこう吐露しています。
「部下たちが色紙をくれた瞬間は胸が熱くなりました。しかし、中央に大きく描かれた『おじいちゃん風の赤いちゃんちゃんこイラスト』と『第二の人生をお体大事にのんびりと』という文面を見たとき、内心でかすかな違和感が走ったのも事実です。私は来期からも役員待遇で新規事業を牽引する立場。周囲から『もう一線を退いた過去の人』として扱われたような錯覚を覚えました」
コミュニティ内の生の声を見ても、以下のようなリアクションが目立ちます。
- 「実年齢より老けて描かれた似顔絵色紙をもらって、リビングに飾るのが恥ずかしい」(60歳・女性)
- 「遠方の親族から集めたシール式の色紙は、全員の筆跡が違っていて文字の温もりに泣けた」(60歳・男性)
- 「『長寿をお祈りします』と若手社員に書かれて苦笑い。まだ介護される年齢じゃない(笑)」(60歳・自営業)
このように、「祝福しているつもりで相手を老人扱いしてしまう無意識のバイアス」こそが、色紙づくりにおける最大の落とし穴です。