「熱海といえば干物」という伝統の看板に、まったく新しい光を当てているのが江戸時代創業の「釜鶴ひもの店」だ。自社船や地元の網代漁港から仕入れる鮮魚を、職人が一塩一塩丁寧に手仕込みする伝統技法はまさに職人芸である。
一方で、近年の食卓事情に合わせた「進化系干物」の展開が見事だ。厳選したアジや金目鯛をハーブやスパイスとともにオイル漬けにした「干物アヒージョ」や「コンフィ」は、ワインやクラフトビールとの相性が抜群。従来の「朝食のおかず」という枠組みを取り払い、おしゃれなアペロ(食前酒)のお供として20代〜40代を中心に爆発的な支持を集めている。常温で持ち帰れるボトル仕様なのも、旅行者には嬉しい配慮だ。