「レバーを力いっぱい引いても滑るように進んでしまう」「減速するたびに耳をつんざくような金属音が鳴る」――現場の修理ピットに持ち込まれる車体において、自転車ブレーキ効かない決定的な理由のトップは、ブレーキワイヤーの張力低下(伸び)とブレーキシューの経年劣化・硬化です。新車購入から半年から1年ほど経過すると、金属ワイヤーの撚りが締まる「初期伸び」やアウター受けの沈み込みが発生し、レバーの遊び(引きしろ)が極端に広がります。その結果、レバーがグリップに接触して物理的なストロークを失い、制動力をリムに伝えきれなくなります。
一方、周囲の歩行者を驚かせる自転車ブレーキ音鳴きキーキー原因は、ブレーキパッドが金属製リムと擦れ合う際に生じる「マイクロスティックスリップ現象」と呼ばれる微細な周期振動です。ブレーキシュー表面が紫外線や摩擦熱でガラスのようにツルツルに硬化していたり、雨天時に跳ね上がった道路の排気ガス油分や泥が付着していたりすると、摩擦係数が不安定になり激しい共鳴音を引き起こします。自転車ライターや整備資格者の指摘にもある通り、リムに対してパッドが平行に当たりすぎている(または後ろ側から先に接触している)場合も共鳴の主因となります。
特に電動アシスト自転車の普及が定着した2026年現在、車体重量が25kgから30kgを超える車両が増加したことで、制動パーツにかかる負荷は従来の人力自転車の約1.5倍以上に跳ね上がっています。警察庁の事故統計分析でも、交差点での出会い頭事故において「ブレーキをかけたが制動距離が伸びて止まりきれなかった」というケースが目立ちます。効きの悪さや異音は、単なる乗り心地の問題ではなく、制動破綻の一歩手前を知らせる緊急のアラートです。