ネット上には「立ち飲みは自由で何でもあり」という誤解が一部で見られますが、大衆文化としての立ち呑みには、気持ちよく過ごすための暗黙のマナーとルールが存在します。ここを理解していないと、周囲の呑兵衛や店員に不快感を与えてしまう原因になります。
まず心得ておきたいのが「スペースの譲り合い」です。混雑時に新しい客が入ってきたら、自分のスペースを半歩斜めに引いてカウンターを空ける「ダークダックス立ち」は、立ち呑み界における美しい基本所作です。また、手荷物は床置きの荷物カゴやカウンター下のフックにコンパクトに収め、卓上に大きなバッグや私物を広げる行為は避けなければなりません。
支払い方式にも注意が必要です。「みんなの立ち呑み」の多くは注文ごとに現金を支払うキャッシュオンスタイル、または専用コードを用いたセルフ決済を導入しています。キャッシュオンの場合は、カウンターの小皿にあらかじめ1,000円札数枚と小銭を用意しておくと、注文時のやり取りが格段にスムーズになります。
そして最大のルールは「長居は野暮」という点です。せんべろ価格は客の回転によって守られているため、空になったグラスを置いたままスマホを眺めて1時間以上居座る行為はマナー違反にあたります。滞在時間は30分〜最長でも60分を目安に、「サッと呑んでサッと席を譲る」ことこそが、最も歓迎される立ち呑みストの流儀です。