ただ手をこまねいているわけではない。北海道のいくつかの漁協では、最新の海洋ITスタートアップと手を組み、砂の中の資源量を可視化するプロジェクトが本格始動している。海底をスキャンする水中ドローンと、過去数十年の漁獲データを学習したAIを組み合わせることで、どのエリアにどれだけの個体群が眠っているかをピンポイントで予測するシステムだ。
これにより、無駄な乱獲を防ぎ、成長途中の若い個体を傷つけることなく、最適な量だけを水揚げすることが可能になった。勘と経験に頼っていた伝統的な漁業が、データに基づく「スマート漁業」へと脱皮を図っている。現場の若手漁師からは「効率が劇的に上がっただけでなく、海を休ませるタイミングが科学的に分かるようになった」と歓迎の声が上がる。