「今の市立福山は、大学野球や社会人野球の先進的なチームを見ているようだ」。あるプロ野球スカウトはそう唸った。同校が導入しているのは、市販のトラッキングシステムと独自に作成した打撃・投球スコアシートだ。
自分たちの弱点を客観的な数値で把握し、週1回のミーティングで改善策を議論する。この「PDCAサイクル」を高校生自らが回す仕組みは、野球の技術向上だけでなく、選手の思考力そのものを飛躍的に高めた。資金力に劣る公立校であっても、知略とIT活用次第で全国のトップ前線に立ち合えることを、彼らは見事に証明したのだ。