橋を渡り終えたところで観光を終了してしまう旅行者が少なくありませんが、それはこの地の魅力を半分見落としています。対岸に広がる山林の奥には、鬼怒川屈指の霊峰・楯岩の頂へ至る遊歩道が整備されています。
行動計画を立てる上で最も重要な指標となるのが鬼怒楯岩大吊橋の所要時間です。旅の目的と体力に応じて、以下の2つのルートから選択する必要があります。
① 吊橋往復ショートコース(所要時間:約15分〜20分)
駐車場から吊橋を渡り、対岸の広場で渓谷を眺めて折り返す手軽なコース。平坦なウッドデッキとスロープが中心のため、普段着や歩きやすいスニーカーであれば幼児連れやシニア層でも無理なく景観を楽しめます。
② 楯岩展望台トレッキングコース(所要時間:往復約45分〜60分)
吊橋を渡った後、素掘り風の薄暗いトンネルを抜け、岩肌を縫うように続く約150段以上の急勾配な木製・鉄製階段を登り詰める本格ルート。その頂上に鎮座するのが楯岩展望台と縁結びの鐘です。
展望台からは標高差約70メートルの断崖上から鬼怒川の蛇行と温泉街を一望する360度の大パノラマが広がります。展望デッキ中央に設置された鐘を鳴らすと、谷間に澄んだ金属音が美しく反響します。この地は古くから「女性を象徴する優しい鬼怒川」と「男性を象徴する力強い楯岩」を繋ぐ架け橋とされ、展望台手前には子宝や良縁を授ける楯岩鬼怒姫神社パワースポットが祀られています。恋愛成就や夫婦円満を願う参拝客が絵馬を奉納する聖地として知られていますが、後半の登り坂は息が上がるほどの傾斜があるため、革靴やヒールでの進入は避けるべきです。