皮膚トラブルの領域で後を絶たないのが、ネット上の怪しい動画や掲示板を真に受けた危険な自己処置です。「針で刺して血を絞り出せば消える」「市販のイボ取り薬(サリチル酸製剤)で焼けば取れる」といった民間療法を実践し、取り返しのつかない傷跡を残して駆け込んでくる患者が毎年多数存在します。
老人性血管腫は、真皮内で毛細血管が緻密な塊を形成している病変です。市販の消毒針やピンセットなどで穿刺しても、血管の根本が凝固するわけではないため、激しい出血が止まらなくなるリスクや、黄色ブドウ球菌などの侵入による重篤な細菌感染・蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こす危険性が極めて高くなります。
また、強酸性の外用薬や液体窒素による無理なセルフ冷凍療法は、血管腫の周囲にある正常な皮膚組織まで壊死させ、一生消えない陥没痕(クレーター)や炎症後色素沈着(茶色いシミ)を残す結果に終わります。「自分で潰す行為」は百害あって一利なしと心得るべきです。