かつてドイツの地で、言葉の壁や圧倒的な体格差に抗いながら司令塔としてゲームをコントロールした経験は、彼の指導理念の根底にある。日本の育成現場にありがちな「トップダウン型の指導」に対し、彼は徹底して選手自身の思考力を重視する。選手が自ら判断し、コート上で解決策を見出す力を養わなければ、世界では通用しないという冷徹な現実を、彼は身をもって知っているからだ。
彼が提唱するアカデミーでは、単なるスキルの反復練習は行われない。シチュエーションごとの判断スピードを極限まで高めるための、極めて実践的かつ知的なドリルが並ぶ。指導者が答えを与えるのではなく、問いを投げかけ続けるスタイルは、日本のスポーツ界において新鮮な驚きをもって受け止められている。