『黒い服を着ていれば大丈夫』という思い込みこそが、最も危険なトラップだ。礼服とは、冠婚葬祭などのフォーマルな場全般で着用される礼装の総称を指す。一方、喪服はその礼服のカテゴリー内に含まれる『弔事専用の装い』である。つまり、すべての喪服は礼服の一種だが、すべての礼服が喪服として使えるわけではない。
結婚式やパーティーで着用される礼服には、華やかさを添える光沢や地模様が許されるケースも多い。しかし、お悔やみの場で光沢のある生地や金属ボタンのジャケットを羽織る行為は致命的なマナー違反となる。太陽光や斎場の強い照明下では、安価なビジネススーツの『黒』と、本格的な喪服の『漆黒』の違いは一目瞭然だ。薄っすらと灰色がかって見えたり、テカリが目立ったりすることで、配慮の欠如が露呈してしまう。