天下分け目の過酷な戦場とは対照的に、カリン塔の最上階にはどこか浮世離れした日常の空気が流れている。その中心にいるのが、サイヤ人編以降、塔に定住することとなったヤジロベーだ。刀一本でベジータの巨猿の尻尾を切り落とすなど驚異的な野生の勘を持ちながら、前線に出ることを嫌う怠惰な剣士と、すべてを達観した猫仙人。この二人の共同生活は、作品における貴重なオアシスとなった。
東映アニメーションが手がけた歴代のアニメシリーズでも、二人の掛け合いは絶妙なユーモアを醸し出し、戦士たちへ仙豆を届ける命がけのデリバリー役として抜群のコンビネーションを発揮した。外界の喧騒から隔絶された空間で、互いに毒づきながらも深い信頼で結ばれている関係性は、読者や視聴者の心を掴んで離さない。