福島県は全国屈指のラーメン激戦区として知られ、会津地方の「喜多方ラーメン」、県南地方の「白河ラーメン」という二大巨頭が存在します。そのなかで中通りに位置する郡山市において、独自の麺文化を切り拓いたのが郡山ブラックラーメンの元祖と呼ばれる「ますや食堂」です。
ますや食堂は明治15年(1882年)に創業した歴史ある大衆食堂で、戦後の昭和初期から提供していた中華そばが郡山ブラックの原型とされています。当時、地元で手に入る良質な醤油を生かして作られた濃口醤油ラーメンは、商業都市として発展していた郡山の商人や職人たちの胃袋を支え、瞬く間に地域全体へと広がっていきました。
長らく地元民の日常食として「濃い色の中華そば」と呼ばれ親しまれていましたが、2000年代以降の地域ブランド化推進に伴い「郡山ブラック」として正式に命名。歴史ある伝統製法を守る老舗から、現代風の洗練されたアレンジを加える新世代店まで、多様な進化を遂げています。