ブームの熱狂が続く一方で、宿泊検討者が抱く疑問や誤解についてもメスを入れる必要があります。ネット上では「アジアンリゾートホテルは結局のところ、古いレジャーホテル(ラブホテル)の改装ではないのか?」という懐疑的な見方が一部で語られることがあります。この疑問に対する取材現場からの結論は、「施設によって出自が完全に二極化している」という事実です。
確かに、過去のロードサイド型レジャーホテルをリノベーションしてアジアン調の家具を配置しただけの低価格ホテルも実在します。そうした施設では、防音性能の低さや独特の間取り、共用部設備の乏しさが目立ち、本格的なリゾート体験を期待して訪れた宿泊者が失望するケースが後を絶ちません。一方、ブームを牽引するトップランナーたちは、大手ブライダル・ホテルグループが最初からリゾート専用として設計・建設しているか、老舗旅館の敷地を大規模投資によって全面改装したものです。
もう一つの盲点は、「季節による屋外環境と虫の問題」です。水盤や緑豊かな庭園を配したバリ風建築は、初夏から初秋にかけて蚊などの虫が発生しやすい構造的弱点を持っています。一流施設であれば蚊取り線香やアロマ防虫スプレーの完備、徹底した定期駆除を行っていますが、自然に囲まれた立地ゆえに完全にゼロにすることは不可能です。虫が極端に苦手な方は、高層階の客室を選ぶか、冬から春先にかけての滞在を検討するのが賢明な防衛策といえます。