悲劇が発生したのは、冷たい雨が上がった2015年2月14日の午後8時30分頃でした。場所は東京都渋谷区神宮前にある、草刈正雄氏の個人事務所が入居するマンションの一室です。
報道各社の速報や当時の取材記録によると、マンションの住民から「ドーンという大きな物音がした」と110番通報があり、警察官が駆けつけたところ、同マンションの敷地内に若い男性が倒れているのが発見されました。男性は直ちに都内の病院へ緊急搬送されましたが、頭部などを強く打っており、間もなく死亡が確認されました。この男性こそが、草刈正雄氏の長男であり、音楽家・クリエイターとして活動していた草刈雄士さん(享年23)でした。
一報を受けた草刈正雄氏は現場へ駆けつけ、変わり果てた愛息の姿を前に「うそだろ、うそだろ……!」と泣き崩れたと報じられています。深夜の救急病院や現場周辺は警察と報道陣が詰めかけ、芸能界のみならず社会全体に強烈な衝撃を与えました。
所轄の警視庁原宿警察署による検証の結果、雄士さんは事務所があったマンション7階の窓枠またはベランダ付近から転落したことが判明しました。室内に争った形跡はなく、第三者の侵入を裏付ける痕跡も一切見つからなかったことから、事件性の可能性は極めて早い段階で排除されました。