第二中里踏切を巡る議論は、撤去を歓迎する声一色ではありません。現場をじっくり観察すると、長年親しまれてきた生活空間が劇的に変容することへの期待と戸惑いが交錯しています。
踏切を毎日利用する70代女性は、かつての町の様子を振り返りながらこう証言します。「平らな道をそのまま歩いて向こう側へ行ける第二中里踏切は、膝が痛む私たちにとって命綱でした。新しい橋が高架になってもエレベーターが設置されると聞いて少し安心していますが、これまでのようにふらっと渡れた日常が消えるのは少し寂しさを覚えます」。
一方で、子育て世代や車を運転するドライバーからは切実な早期完工の要請が上がっています。SNS上でも「朝7時台はほぼ渡れないトラップ踏切」「狭い道幅なのに車と歩行者が入り乱れて本当に危ない」といった投稿が数十年にわたり繰り返されており、安全確保と緊急車両動線の確保という観念から見れば、踏切廃止は地域にとって不可避の課題であることが浮き彫りになっています。