オルタナティブカルチャーの息吹が濃く残るエリア、渋谷区宇田川町。その中心に立つヒューマックスパビリオン渋谷の地下に、この映画館はひっそりと、しかし確固たる存在感を放って鎮座していた。商業主義だけに頼らない尖った上映ラインナップ。雑多な街の狂騒から地下へと階段を降りていくプロセスは、日常から切り離された別の世界へと潜り込むような独特の興奮をもたらした。
座席の傾斜や緻密な音響調整、手作りの愛が溢れるロビーの掲示物。大規模な複合映画館では味わえない密室感とアットホームな空気感こそが、感度の高い映画ファンを魅了し続けた最大の理由だ。