在日コリアン社会の支柱として戦後長らく生活擁護や権利獲得運動を牽引してきた在日本大韓民国民団(民団)。その組織もまた、劇的な意識変革を迫られている。かつてのような政治的スローガンを掲げる場から、多文化共生を地域レベルで支える文化的ハブへとその機能をシフトさせているのだ。
現在、若い世代における韓国系と日本系の婚姻率は9割を超えている。生まれてくる「第4世代」「第5世代」の子どもたちにとって、出自は二者択一の対立概念ではない。民団が主催するオリエンテーションや韓国語教室には、自らのルーツを知りたいという動機に加え、グローバルな教養として韓国文化を学びたいという自然体の若者たちが集う。
「同化か孤立か」という過去の二元論は崩壊した。重層的なアイデンティティを当然のものとして受け入れる新しい世代の台頭が、コミュニティのあり方を根本から塗り替えている。