看護計画を立案した後は、日々の変化を正確に評価・記録するSOAP形式での看護記録が不可欠です。以下に、術後創部感染リスクに対する典型的なSOAP記入例を示します。
【SOAP記入例:胃癌術後3日目の感染リスク管理】
S(主観的データ):
「お腹の傷は動くと少し痛むけれど、昨日よりはずっと楽です。傷口が熱く感じたり、ズキズキするような嫌な痛みはありません」
O(客観的データ):
・バイタルサイン:BT 36.9℃(前日37.2℃)、HR 74回/分、BP 118/72mmHg、SpO2 98%(室内気)。
・局所所見:上腹部正中切開創のドレッシング材に浸出液の染み出しなし。創周囲の発赤・硬結・腫脹なし。局所熱感なし。
・腹腔ドレーン排液:淡血性〜漿液性、120mL/日、浮遊物や混濁なし。
・採血データ(本日朝):WBC 7,200/μL(術後1日目 11,400/μLから改善傾向)、CRP 3.2mg/dL(ピークアウト確認)。
・行動観察:処置時に患者自身が創部を手で触れようとする仕草は見られない。食前の手指衛生を自身で実施。
A(アセスメント・分析評価):
体温は平熱域へ低下し、炎症反応(WBC・CRP)も順調に改善傾向を示している。創部およびドレーン排液に感染徴候は認められず、現時点で創傷治癒は極めて良好に推移しているとアセスメントする。
しかし、腹腔ドレーンが依然留置中であり、離床拡大に伴うドレーン牽引や逆流のリスクが存在する。自己管理能力は保たれているため、体位変換時や歩行時のドレーン取り扱いと閉鎖性維持を引き続き徹底する必要がある。
P(プラン・方針変更):
現行の看護計画を継続。明日予定されているドレーン抜去に向けて、刺入部周囲の観察を強化する。歩行訓練時のドレーンバッグ保持位置の確認と声かけを継続する。