建設初期から週刊誌やネット上で過熱したのが、「巨大な地下核シェルターが掘られている」「プライベートヘリポートが完備されている」という真偽不明の情報でした。これらの噂の背景には、建築工学上の必然性と軽井沢町独自の条例規制が存在します。
「地下3階の核シェルター疑惑」のカラクリ
建築基準法および軽井沢町の「自然保護対策要綱」では、建物の高さが原則10メートル以下(2階建て以下)に厳しく制限されています。さらに建ぺい率20%、容積率20%という厳しいルールが存在するため、大空間を確保しようとすれば、斜面の地形を利用して地下方向へ掘り下げるしか選択肢がありませんでした。
山肌の固い岩盤を数年がかりでダイナマイト掘削した様子が外部から「核シェルターを建設している」と喧伝されたのが実情です。ただし、大成建設が手がけた強固な鉄筋コンクリート造の地下空間には、非常時にも長期間自活可能な大型自家発電機、巨大受水槽、高度な空気ろ過換気システムが組み込まれており、実質的には軍事要塞に匹敵する災害耐性を備えているのは事実といえます。
ヘリポート設置の現実と町の条例の壁
もう一つの定番の噂であるヘリポートについてはどうでしょうか。軽井沢町はヘリコプターの離着陸に関して極めて厳格な姿勢をとっており、騒音防止の観点から商業施設等を含めても町内での常用フライトは原則として認められていません。
航空写真や現地視察から確認できる平坦な円形スペースは、平時は庭園やテニスコート、マルチパティオとして設計されており、万が一の大規模災害や医療緊急搬送時にドクターヘリ等の着陸が物理的に可能な構造にとどめていると見るのが建築専門家の定説です。