佐賀関港を拠点とする国道九四フェリーは、大分市と四国を最短距離で結ぶ大動脈だ。国道197号の「海上区間」を担うこの航路は、佐賀関から愛媛県の三崎港までをわずか70分で結び、物流トラックから観光のドライブ客まで年中絶え間なく運んでいる。
近年は船舶の大型化やバリアフリー化、さらにはオンライン予約システムの高度化が進み、九州・四国間の周遊ルートとして格段に利便性が高まった。デッキに出て豊予海峡の風を浴びれば、荒波を蹴立てて進む船腹の横を、一本釣りの小舟が巧みに波をかわしていく光景に出会える。陸路では何時間もかかる九州と四国の距離が、このわずかな海上の旅によって一気に縮まる快感は、船旅ならではの醍醐味だ。