芸能界の頂点にいながら、俳優・三浦友和さんとの結婚を機にスパッと表舞台を去った山口百恵さん。引退後の活動として彼女がキルトの世界へ足を踏み入れたのは、1980年代後半、長男(祐太朗さん)と次男(貴大さん)の子育ての真っ最中でした。
当時、長男の幼稚園入園にあたり「手作りの通園バッグや小物を縫ってあげたい」と考えたことがすべての始まりでした。もともと手作業や裁縫が好きだった百恵さんは、布を組み合わせて自由な模様を作り出すパッチワークの奥深さに一気に引き込まれます。
華やかな芸能界の喧騒から離れ、自宅のリビングで一針一針縫い進める時間は、母であり妻である「三浦百恵」というひとりの人間にとって、何ものにも代えがたい内省と癒しの時間となりました。誰かのために心を込めて布を繋ぎ合わせる温もりが、彼女の第二の人生の大きな軸となったのです。