多摩川にさらす手作りさらさらにの意味とは?万葉集の恋歌を徹底解読

多摩川にさらす手作りさらさらにの意味とは?万葉集の恋歌を徹底解読

多摩川にさらす手作りさらさらにの意味とは?万葉集の恋歌を徹底解読の重要なポイントについて、専門知識を基に徹底解説します。

Q1:この歌の作者は具体的に特定されているのですか?防人の歌ではないのですか?
A1:作者は特定されておらず、『万葉集』内では「武蔵国の歌」として無名氏の扱いです。防人(さきもり)の歌が集められた巻20ではなく、地方の民謡や庶民の生活歌を採集した巻14「東歌」に収められているため、多摩川流域で生活していた在地の人(あるいはその情景を目撃した旅人)の手による民衆歌と考えるのが自然です。

Q2:「愛しき」を「かなしき」と読ませるのはなぜですか?「いとしき」では駄目なのですか?
A2:万葉集の時代において、「愛」という漢字には主に「かなし」という訓が当てられていました。「かなし」は「切ないほど愛おしい」「身を切られるようにいとしい」という意味を含んでおり、現代の「愛しい(いとしい)」よりもはるかに痛切な情感を含んでいます。歴史的仮名遣いおよび古文の読解基準としても「かなしき」と訓読するのが定説です。

Q3:なぜ「手作り」が「布」を意味するのですか?
A3:古代において、家庭や地域で手織りされた麻布・絹布は「手作り(てづくり)」と呼ばれ、そのまま布を指す普通名詞として流通していました。特に武蔵国では朝廷に納める重要な物資(調布)であったため、「多摩川の水で洗って晒す手作り」といえば、誰もが白く長い織布の情景を即座にイメージできるほど定着した生活用語でした。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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