2020年代前半から社会を震撼させ、2026年現在もなお裁判が継続しているのが、SNSを媒介とした匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による一連の広域強盗・強盗殺人事件です。首都圏を中心とした住宅街で高齢者らが縛られ暴行死させられた凄惨な事件群は、日本の量刑相場にかつてない地殻変動をもたらしました。
闇バイト強盗の特徴は、直接手を下した実行役の多くが「借金を抱えた20代前後の若者」や「SNSで高額報酬の甘言に釣られた初犯」である点です。これまでの裁判実務であれば、前科のない若者が指示役に操られていた場合、情状酌量の余地が検討される傾向にありました。しかし、検察庁および裁判所が示した姿勢は徹底して冷厳でした。
検察側は、実行役らに対して相次いで「無期懲役」や「死刑」を断固として求刑。論告求刑において検察官は「見知らぬ他人の平穏な住居を急襲し、縛り上げて金品を強奪した上、死に至らしめた犯行態様は残虐極まりない。指示役に脅されていたという弁解は、自己保身のための動機に過ぎず、酌量の余地は微塵もない」と指弾しました。
2025年から2026年にかけて言い渡された地方裁判所および高等裁判所の判決速報を見ても、実行役に対して無期懲役の重罰が次々と下されています。「殴打を主導した実行役」には無期懲役、「現場で金品を物色していた共犯」に対しても懲役20年を超える長期の有期刑が科されており、司法は「道具として使われた末端であっても、人の命を奪う強盗に加担した責任は命か生涯の自由で贖うほかない」という明確な鉄槌を下しています。