スーパーやコンビニのベーカリーコーナーに並ぶ食パンの袋。その口をがっちりと挟み込んでいるプラスチック製の留め具の正式名称は「バッグ・クロージャー(Bag Closure)」です。英語の「Bag(袋)」と「Closure(閉じるもの)」を組み合わせた名前で、世界共通の規格品として普及しています。
この小さなパーツが生まれたのは1952年のアメリカでした。開発者はエンジニアのフロイド・パクストン(Floyd Paxton)氏。当時、ワシントン州のリンゴ農家が収穫した果実をポリエチレン袋に詰めて出荷する際、袋の口を効率よく、かつ確実に閉じる方法がないという相談を受けたことが開発のきっかけでした。
パクストン氏は飛行機の中で手元の硬質プラスチック製クレジットカード(またはメンバーズカード)をペンナイフで削り出し、袋をねじって差し込むだけで固定できる独特の切り込み形状を考案しました。これが現在のバッグ・クロージャーの原型です。同氏はその後、クイック・ロック社(Kwik Lok Corporation)を設立。手動での袋留めだけでなく、製パン工場などのベルトコンベア上で1分間に数百個もの袋を自動結束する高速自動包装機とともに、世界中へその技術を広げていきました。