化学染料を使わず、自然の恵みを活かして優しい風合いを楽しみたい人には「草木染め」が適しています。タマネギの皮(鮮やかな黄色・山吹色)、紅茶やコーヒーの出がらし(温かみのあるブラウン)、アボカドの種(ニュアンスピンク)など、家庭の生ゴミとして捨ててしまう素材が上質な天然染料へと生まれ変わります。
草木染めの成功を握る鍵は「タンパク質処理(濃色化)」と「媒染(ばいせん)」の2工程です。植物性繊維の綿はそのままでは草木染料が定着しにくいため、染める前に無調整豆乳や牛乳を水で薄めた液に浸してタンパク質を付着させておきます。煮出した染液で色を移した後は、ミョウバンや木酢酸鉄を溶かした水に浸すことで化学反応を起こし、鮮やかな色を繊維へ定着させます。
化学染め・草木染めを問わず、染め上がり後の美しさを長期維持するために欠かせないのが色止め剤「ミカノール」の存在です。染色直後のすすぎが終わった段階で、ぬるま湯に溶かしたミカノール液にTシャツを約20分浸すだけで、繊維表面の未定着染料が強力にコーティングされます。その後の日常的な洗濯による色移りや色あせを劇的に抑えてくれるため、作業工程の最後に必ず組み込みたいプロ推奨の裏技です。